研究大会(年次)

 ALAI JAPAN 総会・研究大会2023 のご案内

[日時]2023年12月9日(土)13時30分~17時30分※
 (13:30~総会、13:45頃~研究大会)
[場所]一橋大学国立キャンパス西校舎本館3階36番教室
   (JR中央線国立駅南口徒歩10分、建物配置図⑨)
    当日は法科大学院入試のため、講義棟(建物配置図⑩⑪)への立ち入りはできません
※終了後、大学生協西プラザ食堂(建物配置図⑲)にて懇親会(事前申込制、会費最大5000円程度)

〈参加登録フォーム〉 ※こちらからご登録ください(12月2日〆切)

[参加費]会員無料、非会員2000円・非会員学生500円(当日徴収※)
 ※一橋大学の学生証・教職員証、または如水会会員カード提示により無料

【プログラム】

〈国際大会報告〉ALAIパリ大会報告
  内田剛(東海大学准教授)

《シンポジウム》 著作者人格権の不行使特約は可能か
 (司会)長塚真琴(一橋大学教授)
  中小路 大(弁護士)
  中里  浩(東京経済大学教授・経済法)
  石尾 智久(金沢大学専任講師・民法)

【シンポジウム企画趣旨】
 委託に基づいて著作物が創作されるときには、著作者と委託者の間で、著作権の譲渡や利用許諾の契約がなされることが多い。一方、著作者人格権は譲渡できず(著作権法59条)、放棄の可否も争われている。そこで、著作者人格権(特に同一性保持権)の不行使が、併せて合意されることがある。 このような実務は、1990年代にコンピュータ・プログラム開発の現場で広まったと思われる。また、映像制作の現場にも古くから存在したようである。氏名表示権や同一性保持権の侵害に関する裁判例では、改変や氏名表示の省略に関する明示または黙示の合意が、しばしば被疑侵害者から主張される。そして、侵害成否に関する裁判所の判断は分かれている。また学説上も、「著作者人格権の不行使特約」の有効性は1990年代半ばから議論されており、ALAI Japanでも、クラシック音楽のゴーストライティングが明るみに出た直後の2014年の研究大会でとりあげている。学説もまた分かれており、事前の包括的な著作者人格権不行使契約を原則的に有効と解する見解も存在する。
 一方で、近年ではクリエーターや一般人の著作権知識が高まり、著作物制作委託契約に、著作者人格権の包括的な不行使合意が「当たり前のように」盛り込まれていることへの批判が強まっている。著作者人格権の取扱いを一方的に決定する場合に、クリエーターに対し不当に不利益を与えることとなり、独占禁止法上の優越的地位の濫用や下請法、フリーランス保護法の問題が生じ得るとの指摘さえなされている。なお、著作者人格権の母国フランスの状況に関する先行研究に、最近のものがないことも気がかりである。
 そこで本シンポジウムでは、この問題に関する日仏著作権法の現状を明らかにした後、著作権法の実務家、独占禁止法や下請法に造詣の深い経済法の専門家、そして人格権と契約の関係について広く研究する民法の専門家から、コメントを仰ぐ。以上を踏まえ、フリーランス保護の思潮が高まる現在において、それぞれの法領域で矛盾が起きないような解決の方向性を、参加者と共に模索していく。

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